キャラメル箱の庭

薔薇が窓辺を飾ると

しばらく君に逢えない

どんな顔で見上げる

きっともう光は眩しすぎて

じっと太陽を潜めて

紫の陽が朽ちかける

そよ風がくぐり抜け

梅雨空に涼風のささやき

荒野さえ潤んだ季節

本当はどこで泣いたっていい

黄緑の原のアオサギ

その花が好きだから

そこだけは君の楽園

君のために回る世界

昔のように艶やかに

人が去り雨が降っても

とても小さな蕾でも

めいいっぱい咲けるかも知れない

突然湧き起こる黄昏

雲の彼方はいつだって天界の饗宴

純白は光を秘めた力

梅雨空の下あんなに輝いて

雨が止み草花は震え

なお水滴を纏ったまま

いつでも見られたら

好きなときに吸い込まれる青が見えたらいいのに

かき分けて緑の夏へ

そして青い真夏へ突き抜ける

咲くまでが愛しくて

ずっと側に居たいのに叶わない

曇り空に倦んだ君へ

魔法の視界をあげよう

雨の降らない夜なら

聴こえるように話せるかもしれない

豊かさは過去へ退き

ゆったりとした成長の時代はほんの一瞬だったね

潤いの中を泳ぎ歩く

空気の密度よりも軽やかに浮かんで

大河の流れのように

いつしか語り部となる響きがそこに

今に生まれた喜びを

世界は求めるだけ与えられる

公園は雨上がり模様

夏の序章が聴こえる

浮雲の中二人きりで

優しい言葉だけを使って

明るい夕暮れを高く

雲よ月を磨けどんどん昇り輝くように

無数の魂が行き交う

それはどちら側でも変わらない

光の雨が遥かで霞む

光に濡れて歩き出そうか

路傍の彩、あの故郷

山里だった頃と同じ

届きそうだからこそ

目指さずにはいられなかった

夢の底へ薫りの沈澱

梔は泡沫と引き換えの催眠

群青の星咲く小宇宙

一瞬を永遠に生きよう