永遠のなかの庭園

しばらく過去で暖を取りましょう

星がくれた名前 8

 

星にまつわる珍しい語句を紹介しています。
こちらの本から抜粋しましたが、説明文を自分の言葉で少し短くしているので、気に入った単語があったら命名する前に原典をご確認下さいね。

星の文化史事典

星の文化史事典

 

 

イカプス [沖縄] 琉球の言葉で「南の星」。ケンタウルス座α星、β星のこと。この二星は沖縄以北では地平線の上に昇らない(波照間島では「ハイガプス(二つ星)」?)。

パグ・アベ [コロンビア] コロンビアのトゥカノ族の創造神で太陽神。太陽パグ・アベと月ニャミ・アベが居たが、ニャミ・アベがパグ・アベの妻を奪おうとしたため、パグ・アベはニャミ・アベの羽飾りを奪い、一族から遠く離れて暮らすようにさせた。(※原典では「トゥカノ神」でしたが「トゥカノ族」かなあと※)

パシュ [中米] マヤの太陽年の十六番目の月を表す。

パビルサグ [メソポタミア] いて座はメソポタミアでは古代バビロニアの時代からこう呼ばれていた。ケンタウロス*1とよく似た半人半馬、さそりの尾をもつ神獣で、戦いの神ニヌルタと同一視されることもある。

ピュイロス [ギリシア・ローマ] ギリシア神話。4頭の太陽の馬のうちの1頭。

ヒュエイン [ギリシア] ギリシア語で「雨が降る」。ヒアデス星団*2(和名「あめふり」)の語源といわれる。

ヒンダ [ミャンマー] ミャンマーの九大星座の一つ。想像上の鳥。

フセスラフ [ロシア] ロシアの民間伝承の狼憑きの戦士。王女と蛇の子で日蝕の間に生まれたといわれる。

プラバーサ [インド] ヴェーダ神話の軍神インドラの、ヴァス神群と呼ばれる八人の従者の一人。暁の神。

プラティユーシャ [インド] ヴェーダ神話の軍神インドラの、ヴァス神群と呼ばれる八人の従者の一人。光の神。

ペリ [イラン] ゾロアスター教以前からのペルシアの妖精で、人間を助けたりいたずらしたりする。日蝕と彗星の出現はペリの仕業。後イスラーム教では堕天使とされた。ペリには数千年の寿命がある。

ヘリオス [ギリシア・ローマ] ギリシア神話のもともとの太陽神。アポロンが太陽神として広まるにつれ人気がなくなったが、古い時代の建築物のレリーフなどでは太陽神はヘリオスである。

マユ [南米] インカのケチュア語で天の川のこと。マユが24時間でほぼ天球を1回転する事を利用し時間を測ったとされる。

ミシュコアトル [中米] 「雲の蛇」の意。元はトルテカの伝説的指導者と言われている。天の川の呼称でもある。

 

ムアン [中米] マヤの太陽年の十五番目の月を表す。カカオの栽培の神。

ムーイ [オーストラリア] インコの仲間の白い鳥。ユーアライ族の神話で、天の王が3人の人間を作り、人間は植物を食べていたが食べるものがなくなると動物を食べるようになった。1人の男は動物を食べずに死に、残った男女が白いゴムの木の空洞に男の遺体を入れた。するとゴムの木は根ごと浮いてムーイと一緒に空を飛び、天の川ワランプールのそばに根付いた。この後人間は死ぬ運命になった。南十字星が白いゴムの木で、おおぐま座αとβがムーイと呼ばれている。

ムーラ [インド] インドの黄道星座である二十七宿の一つ。さそり座の後ろ半分の尾の部分で、獅子の尾の形。中国の二十八宿では尾宿に対応。「ブリハット・サンヒター」の星宿占いによると、財産家、幸福、欲深い。

メスケティウ [エジプト] 北斗七星のこと。

メストリアパン [中米] ナワトル語で「月の湖」。メキシコにあるテスココ湖のこと。

メツトリ [中米] ナワトル語で月の意。

モル [中米] マヤの太陽年の八番目の月を表す。

 

「ムーイ」をリストに入れるか外すか悩んで説明が長くなってしまいました。原典を読む限りでは、ムーイ自体は縁起が悪そうではないですが…。

 

*1:「パビルサグ」はギリシアに伝わるとケンタウロスケイローンとなり、ケイローンは毒矢に苦しんで死んだので命名前に熟考が必要でしょう。

*2:「ヒアデス」は巨人アトラスの娘の7人姉妹で、兄の死を嘆き悲しんでいるところを星座にされたとの事で「ヒュエイン」の方を採用しました。