永遠のなかの庭園

しばらく過去で暖を取りましょう

日本全国名付け紀行 「き」

「全国方言辞典」からの抜粋です。

全国方言辞典

全国方言辞典

 

※細心の注意を払って記事を作成していますが、かなり長期的な作業になるので間違いも出てくると思います。資料として使用される方は原典の確認をお願いいたします。※

※差別的表現が出てきますが、言葉と時代背景は切り離せないものなのでご理解のほどお願いいたします。※

きあめ [埼玉県北葛飾郡] 木から落ちる雫。
きーのー [鳥取] (副詞)はいから。おしゃれ。軽薄。「あいつはキーノーだ」。
きいは [琉球] 木犀。
きーや [奄美大島] 蝉。*1
きくゎ [鹿児島] 狐火。
きがじゅ [南島八重山] 真鋳。「真鍮」の事?
きかや [宮城・壱岐] 樹木。「キカヤに凧がかかる」。*2
きじ ①[青森・秋田県鹿角郡] 山鳥。②[愛媛県宇和島・大分] 白に灰色の斑点ある猫の毛色。ぶち。③[秋田県鹿角郡] 短気。負け嫌い。④[長野県東筑摩郡] おから。⑤[岐阜県吉城郡] 木細工の器。⑥[広島・山口県大島] まぜ物のない物。
きしお [山口県玖珂郡] 満潮(来潮の意)。
きじねこ ①[山口・鹿児島県肝属郡] 三毛猫。②[鹿児島] 髪のまだら刈。
きじもん [南島] 木の精霊。キジムナーじゃないんですね?
きじゃむぬ [南島石垣島] 木精。
きしゅー [滋賀県愛知郡・奈良] わんぱく。気まま者(紀州の意か)。
きたら [徳島県板野郡] 北隣。*3
きつ ①[津軽・秋田・岩手・新潟] 米を入れたり魚を飼ったりする木箱。櫃。②[常陸] 衣類を入れるための長持の如き小箱。③[新潟県三島郡・愛知県東春日井郡] 狐。
きっかた [茨城県那珂郡] みそさざい。
きっしー [鹿児島県種子島] 魚狗。かわせみ。
きっちゃん [鹿児島] 百舌鳥。
きつねのもり [伊勢桑名] 蜃気楼。
きつねまつばら [能登越中の海浜] 蜃気楼。*4
きっぴ [奄美大島] 霞。
きてん ①[三重県員弁郡] 貂。②[和州] 雷獣。
きどじゅ [鹿児島] ふくろう。
きぬやぼし [島根県飯石郡] 火星。
きは ①[大阪] 大晦日。②[青森県上北郡] 八重歯。
きば ①[兵庫県城崎郡] 男の子。②[愛媛県宇和島] 鯨のひげの長い柄をつけた提灯(騎馬提灯の略)。
きひょん [尾州] ひょんの木。*5
ぎふなー [南島八重山] いたずら子。
きゃん ①[江戸] はすはな少女。おきゃん。②[三重県度会郡] 狐。
きゃんきゃら [長野県下水内郡] おてんば。
きりし [福島県北部] 霧。霧雨。細雨。

 

 

「きーさん」は①女中(香川県高松)。②鼠(高知)。
「きーち」は「つるみ蜻蛉」(岡山県邑久郡)。「つるみ蜻蛉」の意味が分からないんですが。
「きかぜ」は①「しらみの卵」(和歌山・壱岐)。②「毛じらみ」(大阪府泉北郡)。③「吝嗇な女の人」(壱岐石田村)。
「ききらききら」(副詞)は「気がかりで心の安んじないさま」(山形県米沢)。
「ぎぐ」は「なまいき」(会津)。
「きくのはなうつくしや」は「菊の花美しやの意。子供がおはじきなどを数える時に言う詞」(仙台)。「坊さんが屁をこいた」は知っていても何だか使えなかったですからね。上品ですね。
「きくらげ」は「耳」「みみたぶ」(島根県鹿足郡・大分)。
「きざし」は「しらみの卵」(埼玉県秩父郡)。*6
「きしみず」は「くやし涙」(秋田県鹿角郡)。
「きじろー」は白蟻(壱岐)。
「きしろう」(動詞)は①「些細の物を惜むこと」(新潟県西蒲原郡)。②「からかう」(栃木県塩谷郡)。
「きすきす」(副詞)は①「いばるさま」(長野県佐久地方)。②「知らん顔をしているさま」(長野県東筑摩郡)。③「服装のだらしないさま」(茨城県真壁郡)。*7
「きすけ」は隠亡(青森県上北郡)。
「きたなごえ」は「一所懸命の悲鳴」(岡山)。
「きたまえ」は日本海(岡山)。
「きちじほいほい」は尾長鳥(福島県北部)。
「きっかっきゅ」は「じゃんけん」(群馬県佐波郡)。
「きっき」は①猿(奈良・大阪府泉北郡)。②鼠(和歌山県東牟婁郡)。③蝉(石川県能美郡)。④「じゃんけん」(南部・岩手・秋田・山形・福島・島根県簸川郡・隠岐)。
「きっきらきっきら」(副詞)は「何か起ろうとするのを憂える不安のさま」(新潟県中蒲原郡)。
「ぎっくぎっく」(副詞)は「吐きそうなさま」(仙台)。凄いオノマトペですね。
「きっこぶたっこぶ」(副詞)は「凹凸」「でこぼこ」(常陸茨城県多賀郡)。
「きっすはっす」は「危機一髪」。「キッスハッスで間に合った」(壱岐)。
「きっつ」は①「欲ばり」(長崎県五島)。②米倉(仙台)。③板蔵(秋田・岩手・宮城)。④木の櫃(青森・秋田・茨城県多賀郡)。⑤米びつ(岩手県和賀郡・宮城・福島)。⑥「木製の銭箱」(会津若松)。
「きつね」は①「うそつき」(熊本県飽託郡)。②「芸娼妓」「売笑婦」(富山・壱岐)。
「きつねくさい」(形容詞)は「さびしい」(岐阜県大垣)。
「きのこ」は鶏冠(青森)。
「きのはな」は「乞食の一種」(備後福山)。えっ!?
「きびた」は「けちんぼ」(静岡)。
「きむしぴさーま」は「うぐいす」(南島小浜島)。
「きむら」は①「気分にむらのある人」(愛媛県大三島)。②「猿の忌詞」(徳島県祖谷・高知)。
「きもがいもになる」は「肝をつぶす」(岡山)。
「ぎゃーりこ」は「おたまじゃくし」(筑後佐渡外海府・島根県八束郡・高知県幡多郡・熊本)。
「ぎゃえる」は「おたまじゃくし」(高知県香美郡)。
「ぎゃず」は蛙(富山県入善地方・石川県河北郡)。
「きゃつ」は①狐(尾張)。②(代名詞)君(福島県平)。イメージ的には「彼奴」。
「きゃっきゃ」は雨蛙(岡山)。
「ぎゃっと」は蛙(石川)。
「きゅーすけ」は「穴掘人」「死体を埋葬する人」(静岡県磐田郡)。
「きょーつかきょーつか」は「地震の時のまじないの詞」(宮崎)。
「きよし」は「お人よし」「好人物」(高知県幡多郡)。
「きょんきょん」(副詞)は「やせぎすのさま」(新潟県西頸城郡)。
「きんくろー」は「わがまま勝手にふるまう人」(山口県豊浦郡)。
「きんたろー」は「物事に熱中すること」(奈良・和歌山・淡路島)。

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 最近は「三太郎の日」がありますし、人の名前でもペットの名前でも「○△郎」はとても人気がありますが、歴史が古いだけあって思いもよらぬ意味が込められている事があるんですね!

 

 

*1:「きーやぜくろしか」(形容詞)は「汚い」(種子島)。「きーやん」は「下女」「女中」(香川県香川郡)。

*2:Google検索したら『あゝ野麦峠』が出てきましたが。

*3:「きだら」は「氷柱」(広島県走島)。

*4:Google検索で出てきた素敵な伝承とは地域が違いますね。

*5:Google検索によると楽器になるんですか。気になりますね!

*6:他「きさざ」「きさし」「きさじ」等、なかなか綺麗な響きなのにこんな意味なんですよ。残念です(地方は省略します)。

*7:「きす」にも「情人」「禿」「台所の水槽」「酒」等意外な意味が(地方は省略します)。