永遠のなかの庭園

しばらく過去で暖を取りましょう

日本全国名付け紀行 「と」

「全国方言辞典」からの抜粋です。


全国方言辞典

全国方言辞典

 

※細心の注意を払って記事を作成していますが、かなり長期的な作業になるので間違いも出てくると思います。資料として使用される方は原典の確認をお願いいたします。※

※差別的表現が出てきますが、言葉と時代背景は切り離せないものなのでご理解のほどお願いいたします。※

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とーか ①[東国] 夜間の狐の称呼。②[常陸] 白狐。③[常州真壁鹿島辺・茨城県北相馬郡・千葉・埼玉] 狐。
とーご ①[尾州] ははこぐさ。②[遠江] 緑豆。ぶんとう。*1③[常陸] 桶。
とーま [奄美大島] 平地。
とぅりぬみ [南島喜界島] 凪いだ海。*2
とき [宮崎県椎葉] 祭日などで休むこと。*3
ときより [奈良] 祭礼などの農家の休日。
とさ [三重県度会郡] 西南風。
しなもん [宮崎・鹿児島] 老人。
としのばん [宮崎・鹿児島] 大晦日。除夜。
としや [庄内・新潟] 大晦日。除夜。
とてこ [山形県米沢] 鶏の幼児語
とと ①[広島県双三郡] 犬の子。②[青森県三戸郡] 猫の幼児語。③[壱岐] えのころ草。
となかいる [南島宮古島] 黄色(卵色の意)。
とま ①[兵庫県美方郡・高知・宮崎県西諸県郡熊本県葦北郡] 鼬。②[新潟県西頸城郡] 農閑期。
とまこ [香川・徳島・高知] 鼬。
とます ①[丹波福井県大飯郡京都府何鹿郡・山口県豊浦郡・鹿児島] 鼬。②[三重県三重郡] (動詞)つかまえる。
とんとん ①[鹿児島] 遠方(幼児語)。②[広島県佐伯郡島根県鹿足郡] 虎杖。③[佐渡・福岡] 子息。坊ちゃん。

 

「どい」は「不毛地」「土手」「土を盛り上げて作った炭竈」「猪を防ぐための土手」「竈の周囲」「名主など大家の屋敷」(地方は省略します)。
「どいつ」は「台所」(群馬県碓氷郡)。
「どーじま」は「駒下駄」(九州)。私の中ではロールケーキです。
「とーせんぼー」は①「雹」(兵庫県養父郡)。②「二百十日」(長野)。③「春の雪消えの頃に昼頃から吹く東北の寒風」(新潟県高田)。
「とーぜんぼー」は「四月八日に吹く東風」(北海道)。
「とーへい」は「痴漢」(山口県萩市)。
「ときわ」は「気まぐれ」「気まぐれ者」(山口県玖珂郡・周防大島)。
「とこ」は「平坦な土地」「海草のあまり生えていない海中の瀬」「硯」「秋生れの猫(鳥を捕るという)」「畳」「果実のしん」「油糟」「量」(地方は省略します)。*4
「とことこ」(副詞)は「火の盛んにおこっているさま」(佐渡)。
「どじ」は「土地」「地面」「庭」「台所」「土間」「わけのわからぬ事」「しみたれ」(地方は省略します)。
「どすこい」(形容詞)は①「狡猾」(奈良県吉野郡)。②「大きい」(福井県大野郡・三重県度会郡・和歌山)。
「どすびっき」は「ひきがえる」(南部)。
「どたあし」は「白蟻」(長崎県五島)。足が大きいイメージではないです。
「どっきり」(副詞)は「満腹の感じ」(対馬熊本県南関)。
「どつく」(動詞)は「打つ」「なぐる」(大坂・仙台・福井県大飯郡・滋賀・三重県北牟婁郡・奈良・大阪・京都・兵庫)。知っている言葉ですが何故仙台?
「とっとこ」は①「子犬」(広島)。②「鶏」(栃木県那須郡・新潟)。
「とっぴー」は「いなご」「ばった」(鹿児島県種子島)。
「とっぽ」は「溝」「下水」「さるとりいばら」「筒」「つつ袖の着物」(地方は省略します)。
「とてらっぽ」は「嘘」(栃木県安蘇郡)。
「とところ」は「子犬」(広島)だけれど「ところ」は「墓」(南島)。
「ととろ」は「稲扱きの時の残った屑穂」(愛知県知多郡)。
「どみの」は「簑」(福井)。
「とも」は「田畑」「野良」「耕地」「踵」「黴毒」(地方は省略します)。
「とら」は「飼猫」「酒のなまよい」「束子」「まゆを作らない蚕」(地方は省略します)。
「とりまえまえ」は「旋毛の二つある人」(山口県大島)。
「どりゅー」は「土龍」(越後)。
「とろすけ」は「ばか者」「鈍物」(大分県日田郡・熊本)。ゆるキャラが居るようです。
「どろぼー」は「泥まみれ」「不身持者」「放蕩者」「横着」「わんぱく者」「よっぱらい」「人を罵って言う詞」「がき」「ちくしょう」「蝋燭のわきに垂れ下がる蝋」(地方は省略します)。
「とろろ」は「氷柱」(千葉)。
「どん」は「兄」「中年過の男の奉公人」「材木」「劣等」「びり」(地方は省略します)。
「とんがりほーじ」は「小規模の法事」(福井県大飯郡)。「とんがり帽子」に見えました。
「どんき」は「鰌」(山形県村山地方福島県北部)。
「とんこつ」は「屠殺場」「木製のたばこ入れ」「小児の頭にできる腫物」(地方は省略します)。
「どんた」は「阿呆」「馬鹿」「怠け者」(宮崎・大隅)。
「とんてき」は「軽卒」「そそっかしや」「おてんば」「阿呆者」(地方は省略します)。
「とんと」は「坊ちゃん」「玉蜀黍」「縁側」「酒の幼児語」「魚の骨など」「とげの幼児語」(地方は省略します)。*5
「どんびき」は「蛙」「ひきがえる」「蟇」(長野県東筑摩郡・岐阜・富山・福井・和歌山県東牟婁郡鳥取・島根・広島・山口・香川・愛媛・高知)。
「とんびねこ」は「牡猫」(和歌山県西牟婁郡)。*6
「どんぶり」は「淵」「水たまり」「汚水溜」「雪道の落し穴」「ぼうふり」「醜業婦」「風呂」「銭湯」「財布」「釣糸のおもり」(地方は省略します)。
「どんぶりこ」は「めだか」(徳島県海部郡)。
「どんべー」は「魚籠」(滋賀県東浅井郡)。
「どんべらこ」は「海月」(山口県玖珂郡)。
「とんぼ」は「頂上」「尖端」「梢」「入口」「戸」「大戸の敷居」「便所」「入口の雪防ぎ」「瘧」(地方は省略します)。

 

今回はなかなか酷い響きや意味の言葉が多い気がしますが、方言らしい方言だなあと思いました。

 

*1:Google検索では「ブンドウ」でした。

*2:「とり」は「海上の凪ぎ」「民家の入口の土間」「終り」「寄せなどの真打」(地方は省略します)。「とりぬみ」の位置に記載。

*3:「ときとき」は「忙わしいさま」(岩手県胆沢郡)。←「せわしい」?

*4:「とこさま」は「鼬」(宮崎県西諸県郡)。「とこさん」は「仏壇」(静岡)。

*5:「とんとき」は「粗忽」「軽卒な者」(津軽・新潟)。

*6:「とんび」は「手みやげ」「→ひるとんび(昼盗人)」「鑵子」「どびん」「おたまじゃくし」(地方は省略します)。