永遠のなかの庭園

書きたいことがありすぎても大変

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

お伽の収穫祭

やはりそこは不思議の国で

花の兎が踊り

飛び上がったままそよ風に揺れて

秋の麒麟の花

黄金の麒麟のたてがみが秋の陽に煌めいて

迷わずに進み

広がりの中の慣れ親しんだ片隅へ

その広大さは

つかまえたと思ったら遠ざかっているかのような

懐かしい木陰

君が好きだった場所は何も変わっていないよ

舞い降りる秋

秋は密かにささやきのような乾いた葉の音をたてながらこうして一つずつ

公園からの空

いつまでも見ていたいから仰向けに寝ころんだ

晴れやかな朝

物悲しい別れの翌日でも太陽は戻って来てくれる

羽ばたくのは

ずっと見ていたい空

黄金の最果て

西へ 西へとどんなに走ってもここはもうどこまでも秋なのだと

去りし季節の

あの彩をありがとう

いつも遠くて

ほんの少しだけ見える彼方はいつも遠い

身を寄せ合う

沢山の双子達

ささやきの花

庭からは世界からはいつも新しい声がして

朝に歩き出す

冷たく澄んだ空気と雲の模様に今になって驚きながら

どこかへ還る

戻って来た世界は元居た場所だろうか

夢から覚めて

何を話していたんだろう宇宙空間を垣間見たような気もする「象じゃない、獏だ」自分の声で目が覚めた

静物の語り部

話せないものが自ら語り出すように温めたのか掘り下げたのか

谺だけの対話

いつからか意味だけを問うようになっていたけれど

たそがれの国

曇り空が続く

夏は思い出に

そしてまた、黄昏へ

華やかな別れ

何故 そんなに惜しみなく散ってしまうのか

始まったばかりで

秋の入口で「寂しい」なんて言うつもりじゃなかったのに

自由な空気

季節が逆行してたまに迷子になるでも何故だか輝いている

晴雨の畑

収穫祭に向けて降ったり 晴れたり

道を行く

夕陽の方角にはいつも魔法の気配があった

黄昏の空

空から秋色が降りてくる

香りの月

香りが満ち始まる十月

靄の朝

明るい物事だけがはっきりと見えてくる