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日本全国名付け紀行 「さ」

「全国方言辞典」からの抜粋です。

全国方言辞典

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※細心の注意を払って記事を作成していますが、かなり長期的な作業になるので間違いも出てくると思います。資料として使用される方は原典の確認をお願いいたします。※

※差別的表現が出てきますが、言葉と時代背景は切り離せないものなのでご理解のほどお願いいたします。※

さーし [広島・愛媛県大三島] 南向きの土地。日向地。*1
さーみ [南島沖永良部] 繍眼児。めじろ。
さーや ①[静岡・愛知県北設楽郡] 沢。②[静岡県周智郡] 谷川。小川。
ざーら [茨城] 松の落葉。
さいーま [南島山原辺] 木の精霊。
さぐさぐー [南島中頭] いたずら子。
さぐらみどき [鹿児島県種子島] 薄暮
さなえ [肥前・長崎] (助詞)の方へ。へ。「東サナエ行く」。*2
さにし ①[鹿児島県種子島] 夏土用中の西風。②[南島喜界島] 旧六月の中旬に三日ばかり吹く強い北風。
さばに [南島] くり舟。独木舟。
さらさ [新潟県西蒲原郡] 金魚や鯉などの淡い紅色。
さんきち [新潟県岩船郡] おかっぱの人形。
さんごろー [愛知県中島郡] 人形。
ざんざ [静岡県志太郡・愛知県碧海郡] 時雨。
さんさなー ①[南島中頭] 蝉。②[南島島尻] おてんば。
さんじ ①[伊豆大島・三宅島] 役場の告知などを触れ歩く者。②[静岡県磐田郡] 小字内の用事をするために番に当った家の人。
さんしち [和歌山] 山梔。
さんたろ [三重県度会郡] 松虫。*3
さんてー [山梨県中巨摩郡] (副詞)いつでも。平常。

 

 


「さーら」は滝(南島石垣島)。だけれど「聾者」(愛媛県新居郡)の意も。
「さいとー」は①「村はずれの十字路など道祖神を祀る所」(神奈川県高座郡)。②「正月の左義長の行事」(神奈川県高座郡)。③「神社の炉で焚く火」(石見)。④「夜間かがり火をたくこと」(阿波)。⑤「野菜包丁」(土佐)。
「さえ」(助詞)は①「の方へ」(宮城県栗原郡・宮崎)。②「に」「のために」(神奈川県三浦郡西浦)。
「さおとめ」は「水すまし」(長野県佐久地方)。
「さおり」は田植初(上総遠江静岡県小笠郡)。
「さかやのますさん」は「北斗七星」(熊本県玉名郡)。
「さき」は「間ぎわ」(埼玉県幸手)。
「ざく」は①堰(山梨県北都留郡)。②「石の崩れた所」(栃木県安蘇郡)。③「山腹など崩れた所」(山梨)。④石地(長野県北安曇郡)。⑤「畑の土の塊」(熊本県玉名郡)。⑥おてだま(山形県荘内・新潟県北蒲原郡)。
「さくさく」(副詞)は「歯の痛む形容」(徳島県美馬郡)。
「さくら」は「外観と中身の相違していること」(長野県東筑摩郡)。
「ささ」は①父(岩手)。②「羽織のまち」(岩手県釜石)。③「魚類を酔わせる毒」(南島)。④酒(群馬県前橋・和歌山県新宮・大分)。
「ささき」は自然銅(飛騨)。
「さざなみ」は「醤油に浮ぶ黴」(宮城県石巻大分県西国東郡)。
「さしこ」は鳥籠(栃木県安蘇郡・茨城・千葉県千葉郡・神奈川県津久井郡岐阜県恵那郡)。
「さちゃさちゃ」(副詞)は「空腹のために気が遠くなりそうな気持」(秋田県鹿角郡)。
「さつき」は田植(秋田・福島・新潟県西蒲原郡・千葉県山武郡)。
「さつきどり」は「あおはずく」(千葉県長生郡)。
「さっこ」(副詞)はたくさん(南島徳之島)。
「さっとぅ」はふだん。常の日(南島喜界島)。*4
「ざっとやー」は「別れのあいさつ」「さようなら」(対馬)。
「さつまいも」は「さといも」(奈良県十津川・鳥取県気高郡)。
「さと」は「女が男を称する歌語」(南島)。
「さとー」は「目的がはずれて気のぬけたこと」(滋賀県愛知郡)。
「さとみ」は「婚礼の翌日夫婦揃って嫁婿の生家へ行くこと」(宮城県栗原郡)。
「さねーし」は「天と海とが合して見える所」(南島喜界島)。だけれど「さねー」は褌(南島波照間島)。
「さばる」(動詞)は「触れる」「祟る」「止る」「とりつく」「すがりつく」「ぶら下る」「引く」「大波にのって小波が来ること」(地方は省略します)。
「さぶろー」は「土用の三日目」「土用三郎」(岡山)。
「さほ」は「田畑の畝間」「作物の行」(千葉県君津郡)。
「さぼ」は「料理人の下廻」(宇治山田市)。*5
「さや」は「溝」「船の通ったあとの波にあらわれる道」「鯨の舌」「双六のさい」「氷柱」「墓地の霊屋」「乱雑(副詞)」「さえ(助詞)」(地方は省略します)。
「さやさや」(副詞)は「身軽に」「早々と」(仙台)。
「さやみ」は瘧(南島喜界島)。
「さよ」は「鬼ごっこ」(山形県荘内)。
「さよさま」は道祖神(山口県大島)。
「さら」は「膝蓋」「頭蓋骨」「旋毛」「蛇のとぐろ」「着物などの裏」「副食物」「虚言」「しか(助詞)」「共に(助詞)」「さん(接尾語)」(地方は省略します)。
「さらさら」(副詞)は「身のけのよだつさま」「ぞくぞく」(仙台)。
「さるお」は「防波堤」「埠頭」(愛知県知多郡)。
「さるき」は「白米の飯」(宇治山田市)。
「さるっぴ」は「日光が雲に反映して虹のような光彩を生ずること」(埼玉県幸手)。
「さんけねこ」はみけ猫(秋田県鹿角郡・仙台)。
「さんげんとばし」は「縫いたての衣裳の縫目の粗いこと」(対馬)。*6
「さんごー」は①「鹿の腹ごもりの仔」(静岡県周智郡)。②ばか(奄美大島)。
「さんずい」は梅雨(富山)。なぞなぞみたいですね。
「さんた」は「野郎」「まぬけ」「ばか」(越前・島根県八束郡・山口県屋代島)。
「さんぽろりん」は①「零落姿」(秋田県河辺郡)。②「身なりのいやしい人」(対馬)。

 

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*1:Google検索によると沖縄方言で「錠前」。「さーしー」は傾斜(南島喜界島)。

*2:「さな」は「傘」「すのこ」「こんろの中底」「せいろうの簀」「こたつの足をのせる所」「風呂の底に敷く板」「船底に敷く板」「麦打台」「四手網のような網の一種」「戸の桟」(地方は省略します)。「さない」は褌(南島八重山)。

*3:「さんたろばーさん」は「老婆自身の謙称」(群馬県館林)。

*4:「さっとー」は「指図」「干渉」「差出口」(宮城・茨城県稲敷郡)。

*5:「さぼし」は「茶屋女」「酌婦」「売春婦」(山梨・長野)。

*6:この記事を慌てて書いているので爆笑。「さんげんとび」は①「とのさま蛙」「青蛙」(豊前・静岡・徳島)。②「赤蛙」(和歌山県西牟婁郡)。