永遠のなかの庭園

フィルム一眼、ガラケー、タブレット、コンデジ、スマホ画像。

キャラメル箱の庭

寄り添える贅沢な午後

今世界を取り戻しかけている

そのまま霧雨を浴びて

最も潤った季節のなかで

金属の木を吹き鳴らせ

暁は銅の響きに目覚め

魔性の月が昇る頃には

良い方へ変わっていますように

仲間たちと同じ呼吸を

そして今日も生きてゆける

どれほど遠い時代から

喜怒哀楽に染まり

見えない過去も未来も

大気さえ本当は見えていない

その小さな世界で踊れ

そこだけでひっそりと手を繋ぎ

どんなに近く遠くても

今はそこが私の庭

いつか活気を取り戻す

思い出のような今でさえ

狭間に生きる命へ光を

咲いても枯れても必ずどこかの星が見届ける

それは偶然の雨と光と

今一番必要としていたもの

初夏のように眩しい空

いつもなら朗らかな道

今はここが世界で庭園

呼吸ができるぎりぎりの箱庭で

決してこの春ではなく

それでもこんなに暖かければ

遥か遠くを見ていたい

安息の場所幸せな未来

きっと煌めく青い惑星

より美しく見えて声は届かない

僅かな春だと知らずに

日没の陰で輝いていた理由さえ

あと幾つかの黄昏の後

新しい街が目覚めたら

二月よりも震えている

何故だろう春の花が咲いても

もう一度箱を開けよう

幸運のカードを探して

飛び去るのが大地なら

君はその空で待っていてまた必ず逢えるように

誰が真っ先に歌っても

それが何度目の恋でも

目覚めから見つめ合い

抱き合えばこの世は春

見上げると卵の窓たち

あの物語のなかへいっそ退行してしまおうか

沈丁花香る図書館前で

読書にはまだ寒いと惜しみつつ

かけがえのない浅い春

ただでさえ別れの言葉は言い足りない

大切な何かを守るため

世界を締め出す覚悟が自分にあるのだろうか

武蔵野は昔のままの野

むしろ昔より立派な古木に育ってくれていたら

いつかまた誰かの夢に

日常や非現実の舞台になりたい