永遠のなかの庭園

月間10投稿…できるかな

キャラメル箱の庭

今ではない場所の悟りを

身を捩る思いで見いだした真の実り

飛び立って そばにいて

決められないからただ見つめるんだ

風はいつも夏を描きたい

きっとそれは上昇を目指して

六月は光さえ雨粒のよう

炭酸のように弾け色とりどりで甘い

遠くてもつながっている

誰の顔が浮かぶわけでもなく自分は介在しなくて構わない

眩しすぎて昏い空よりも

目を閉じた明るさで天にも昇る居心地の丘

初夏の香りへ辿り着いて

思い出す若夏の年頃

ふたり見つめる黒の地平

共に還り甦る誓い

春過ぎた黄昏の空の神話

尾を引く火球半獣の女戦士の横顔

梢は若さにより柔らかく

あの頃と同じ月に違った表情を与え

目を開けたまま夢を見る

微睡みより長く冬眠よりも儚く

新緑の向こう側に夕暮れ

まだ見ぬ色と見果てぬ夢が

人々が自然を磨き上げて

人の介在がなければこの世界は生まれない

既に通り過ぎた置き手紙

どんなに追いかけてもいつも風のあとの幻影

狭間から永遠だけを願い

刹那にも永遠にも畏れを抱きながら

何ということはない朝を

輝いてもいないのに留めておきたくなる

霞で編まれたコサージュ

空と同じ透過度の揺らぐ心の表面に

人と人、あまりに多くの

出会いと別れ起こったことと始まらなかったこと明日の天気も分からない季節

花の影に弥生の光を思う

眩しすぎて見上げられなくても

平和な温もりが朧になり

生けるものに優しい大気

花降る林に息づく眼差し

柔らかく潤んだひととき

旧友のような不変の風景

変わり果て日夜吹き過ぎる欠片のなかに

生命の季節におずおずと

大好きな兆しの水面下を恐れる気持ちと

瞬間を研ぎ澄ませること

他に春がないと言うなら

孤独な日々にも紅が灯り

今でもこんなに身近に

春の郷の豊かすぎる素朴

青くうら若い花宴

桃の饗宴は短くも永遠に

価値観すら遡上させる完成度で

閉じ込めてきた冬の光を

誰もが目覚める彩度まで

春を求めて狩りに出よう

誰にあげるか何を掴むのか一つだけでも決めたのなら

思い出も透かし映すもの

忘れながら生きるのに抗うのが使命だと