2014-01-01から1年間の記事一覧
桜吹雪の天の川
4月の庭園は 華やかで目まぐるしい 期待した通りに 毎年巡って来るけれど 同じ光景は二度とない だから どんなに眩しくても 目を開いて焼きつける
これは 誰のために? 小さな公園の 最上級の一皿
桜を観るための 道の途中 少しずつ晴れて 丘へ着いた途端に 光が溢れた
山いっぱいに咲く梅は 実りの未来を 疑っていなかった きっと ずっと先の 未来があるはず
箱庭を造って以来の 大雪だったので 出かけてみると 「ほら、すごい雪だけど 春もそばに来ているよ」 まるで 誰かが並べたような 梅の花びら 茂みのかげに 足跡を見つけた 何か意味がありそうな 曲がり方 消えた足跡 きっと誰かは 翼を持っているはず 顔を…
川面より眩しい秋
こういう空の時には 祈りの鐘が鳴って 鐘の音で 出てきた人々が それぞれの神に祈り 歌ったりする そんな箱庭にしたい
山桜も 都市の桜も その場所で 全力をかけて咲き誇る
日が暮れて 光を透さなくなった 桜の木々は 雪を降らせる 曇り空のように ずっしりと重みを増す
次の季節へ
キラキラする長い夜。
秋は 植物園が果樹園に 枝は重たげで、 鳥たちは浮き足だつ。
屋敷の大きな門が 子供をおびき寄せる お菓子の家のように 飾られていた 少しだけ ぞっとする でも 帰りたくないし いつもと違う光景に 目が離せない 魔法がかった夜
嵐の翌日は 洗いたての空が 水たまりに眩しい
色とりどりの鯉たちが 次から次へと 挨拶に来てくれる 初夏のせせらぎ
窓と呼ぶには 大きすぎるけれど、 一番好きな窓。
もう少しだけ 遊んでいたい時は 夢を追うように走る まだ明るい向こうへ
よく似ていて 仲が良さそうで 嬉しくなる
そしてここにも、 小さな小さな庭が。
春風に吹かれて 太陽色のパンを食べて 今と そして これから溢れる生命を 歓迎して祝う
桜の小径をくぐり 花吹雪に振り返ったり 花ざかりの川に 立ち止まっても 本当は駆け出したい 良かった また 大好きな 春の庭が 戻ってきてくれた
箱庭に届いた贈り物。
魅力も同じくらい。
畳に寝ころんで 庭を探検して 台所の戸棚に 甘いものがあったら お茶にしよう
雲を塗り重ねて 光の角度を変えて 飛行機雲も加わって それがずっと続く 贅沢な世界
このくらいの坂なら むしろ元気が出る
太陽が 名残惜しく 尾を引いたような そんな日もある
ずっと 動けないものと 思っていたけれど、 嬉しそうに 違う植物を 跳び越えていた 見ていて 嬉しくなった
夏色になってゆく。