かえるの王女様
方言プロジェクトが完成したので、秋の市民盆栽展でいただいた
かえるさんに名前を付けようと思います。
「小枝と器」中澤様から、かえるさんをいただきました!!
とても味があって、盆栽の側に置いてあげられないのが申し訳ないのですが、大切にしたいと思います。
方言プロジェクト終了後に、方言から命名できたらとても似合うのではないかと思ってワクワクしております!
「小枝と器」様はこの子を「お嫁に出す」と仰ったので、男らしい名前は除外しようと思います。
盆栽の木々が休眠期に入る12月~2月に陶芸をされるそうで、秋冬をイメージする名前がいいかな…。でも蛙も冬眠しちゃいますよね。
とりあえず「日本全国名付け紀行」からピックアップしていきましょう。
☆あぜー [鹿児島県谷山] (形容詞)非常な。大した。
「畦」と「蛙」が似ていていい感じです(畦ではないのですが)。
☆いんかもーら [南島新城島] 河童。
水の精「ユンガムラ」が登場する小説、昔好きだったんです。響きが似ていませんか?
☆うたり ①[長野県南佐久郡・静岡県榛原郡] 沼地。湿地。②[静岡県安倍郡] 入海になった波の静かな所。③[静岡市] 波がひいたあと海水が残って溜まっている所。④[静岡県志太郡] 沖の波と浜の波との中間の静かな所。⑤[静岡県田方郡] 渚。
蛙が喜びそうな意味ですが、ここに載っていない「アイヌ民族」という意味の方がメジャーですよね。アイヌとは繋がりが無いので遠慮してしまいます。
☆がーな [南島宮古島] 家鴨。
かえるが進化するとあひるになりますよね!
「かんかさん」は①「神仏の児童語」(和歌山)。②「神様の児童語」(和歌山・徳島・高知)。
うちの守り神ですし、「カジカガエル」に響きが似ているので。
☆きあめ [埼玉県北葛飾郡] 木から落ちる雫。
盆栽の森で生まれた感じがしませんか?
☆きかや [宮城・壱岐] 樹木。「キカヤに凧がかかる」。
こちらも樹木系です。
「きくのはなうつくしや」は「菊の花美しやの意。子供がおはじきなどを数える時に言う詞」(仙台)。
10月にいただいたので。ただ、市民盆栽展で菊を観た覚えは無いんですよね…。
響きがちょっと硬いかな~…。
☆さいーま [南島山原辺] 木の精霊。
うちの方だと「狭山」を連想します。でも素敵な意味ですね~。
オスだったら「井の中の蛙の王様」みたいでなかなか良かったかも知れません!
「てなこ」の方が可愛いかな?
☆はなにわ [山口] 庭。庭園。
埴輪のような蛙、そして花咲く庭。
「ばんぶっ」は「蛙」(長崎県五島)。
「プンバァ」みたいですね!
何故か私はいつもプンバァの相棒の名前を思い出せません。ティモンって可愛い名前なのに。
「みどり」は「芽」「新芽」「松の新芽」「松の寄生木」「樹脂」(地方は省略します)。
かえるさんは焦茶色に抹茶色が少し混ざったような色です。
「めどち」は「河童」(南部)。
「ルーシー」みたいで可愛いかも?
他、「日本全国名付け紀行」に収録しなかった単語で、
「もっけぁ」は「かえる」「ひきがえる」(秋田)。
というのもメモしておいたのですが、やはり発音が難しくて命名向きでは無さそうです。
この中からさらに選抜すると、
★「がーな(ガーナ)」家鴨
★「かんかさん(カンカさん?・神々さん?)」神仏の児童語
★「きあめ(キアメ・木雨?・樹雨?)」木から落ちる雫
★「きかや(キカヤ・木茅?・木萱?)」樹木
★「てなご(テナゴ)」丹精
悩みますね…。
この中では「木萱」が一番シルエット的に似ているのですが、どうもキカヤは言いにくいですね。生き物と違って頻繁に呼ぶものではないのですが気になります(「イェリク」だけでも大概ですし)。
チョコレートの誘惑に負けそうな深夜なので、
【ガーナ】
にしましょうか。
(ガーナチョコレート高くて買えないんですけれども)
我が家に犬が加われば、かえるがあひるになる程の一大事。
その日を一緒に迎えてくれますように。
ガーナ嬢も名前を付けてようやく家族の一員です。
(私の知っているバージョンは、おさらは無くて、かっぱも無くて、かわいいコックさんですが)
~思い出~
先代犬の命名リストの中に「ジョーナ Giona」があった事を思い出しました。「チハヤ(千早・千逸)」もあったなあ。
日本全国名付け紀行 「わ」
「全国方言辞典」からの抜粋です。
※細心の注意を払って記事を作成していますが、かなり長期的な作業になるので間違いも出てくると思います。資料として使用される方は原典の確認をお願いいたします。※
※差別的表現が出てきますが、言葉と時代背景は切り離せないものなのでご理解のほどお願いいたします。※
☆わーなとぅ [南島喜界島] (若夏の意)初夏。
☆わか [仙台・福島] 巫女。いちこ。
☆わかなつ [南島] 四五月頃の穂の出る時分。
☆わたりぼし [大分] 流星。
「わかいこ」は「繭をつくるようになった蠶」(香川県三豊郡)。
「わかいしゅ」は「猿の忌詞」(奈良県吉野郡)。
「わかば」は「ゆずりは」(丹波・奈良県十津川・和歌山県東牟婁郡・徳島・愛媛)。
「わかめ」は「乞食」(滋賀県蒲生郡)。えっ!?
「わかやまふみ」は「正月三日に初めて山へ木を伐りにゆくこと」(和歌山県日高郡)。
「わかよ」は「嫡子」(大分)。
「わくわく」(副詞)は「ふるえるさま」「わなわな」(山形県米沢)。
「わぐわぐ」(副詞)は「ふるえるさま」「わなわな」(秋田県鹿角地方)。英語の wag wag は尻尾を振っている感じですが。
「わけもない」は「法外な」「非常な」(富山県礪波地方・石川県能美郡)。
「わこ」は「男の子」「坊ちゃん」(盛岡・常陸那珂郡)。
「わさ」は「輪」「紐などの輪」「紐などの結び方の一種」「わなの一種」(地方は省略します)。*1
「わさうえ」は「田植始め」(和歌山県日高郡・岡山・広島・島根・山口・大分・佐賀県藤津郡)。
「わし」は①「深山の細道」(鹿児島県種子島)。②「他人の子供をさしていう」「ぼっちゃん」(加賀・石川県金沢)。
「わしり」は「浪が荒した海岸の道」(佐渡)。ロシア男性名みたいですね。
「わせる」(動詞)は「来る」「来られる」(伊豆八丈島・山梨・静岡・愛知・滋賀・京都府相楽郡・鹿児島県肝属郡・種子島)。*2
「わだ」は①「入海」「入江」(静岡県賀茂郡・岡山県邑久郡・対馬)。②「山の窪地」(対馬)。③「小部落」(壱岐)。
「わたくし」は①「奉公人の休日」(奈良県北葛城郡)。②「内密の貯え」「へそくり金」(山形県東田川郡・神奈川・奈良県吉野郡・愛媛・山口県浮島・大分・南島喜界島)。みんなへそくり多すぎ!
「わたくしごと」は「水痘」(対馬)。
「わたし」は①「油注し」(愛知県春日井郡)。②「遊女」(桑名)。③「焼網」「てっきゅう」(北海道・青森・秋田県鹿角郡・山形県村山地方・富山・山梨・長野県下伊那郡)。
「わち」は①「猪よけの石垣や木柵など」(静岡県周智郡・愛知県北設楽郡)。②「垣」(長野県下伊那郡)。
「わっくーどんくー」は「かえる」「ひきがえる」(長崎県西彼杵郡)。*3
「わったわった」(副詞)は①「強く打つさま」(青森県上北郡)。②「一心不乱に」「一所けんめい」(青森・秋田・岩手県和賀郡)。
「わっちわっち」(副詞)は「非常に」「全力で」(秋田県平鹿郡)。*4
「わらいぎ」は「百日紅」(埼玉県入間郡)。
「わらりわらり」(副詞)は「急いで走るさま」(仙台)。
「わん」(代名詞)は①「われ」「私」(南島)。②「おまえ」「汝」(伊豆三宅島)。
「わんでんさん」は「波止場」(長崎県五島)。
日本全国名付け紀行 「る」「れ」「ろ」
「全国方言辞典」からの抜粋です。
※細心の注意を払って記事を作成していますが、かなり長期的な作業になるので間違いも出てくると思います。資料として使用される方は原典の確認をお願いいたします。※
※差別的表現が出てきますが、言葉と時代背景は切り離せないものなのでご理解のほどお願いいたします。※
「るすん」(地名呂宋ルソンに因る)は①「南瓜」(山形県荘内)。②「しゅんぎく」(伊勢)。
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☆れんちょー [芸州] 比目魚。ひらめ。
「れんちゅー」(簾中)は「貴人の妻」(九州)。「連中」と漢字変換してしまうとガラが悪くなりますね。
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☆ろーはっせん [長崎] (中国音)落花生。
☆ろーま [近江彦根・長州・島根県鹿足郡・山口・周防大島] しゅんぎく。
「ろー」は「水門」(三重県飯南郡)。
「ろーそく」は「大猪」(奈良)。何故?
「ろーちき」(副詞)は「たくさん」(島根県邇摩郡)。
「ろーにん」は①「流され人」(隠岐)。②「駆落」(徳島県美馬郡)。
「ろくろ」は①「算盤」(薩摩)。②「鍬鎌の柄の鉄輪」(信州下伊那郡)。
いきなりまとめてすみません。
日本語の「ら」行で始まる言葉は本当に少ないですね!
*1:「りゅーたつ」の項目に掲載。