キャラメル箱の庭
あの向こうを恐れずに
すぐ近くに魔法か妖精が潜んでいる
どこまで咲けば最も美しいのか何故生まれたのか枯れるまで知らされないのか
何度逢っても足りないから
この空に何を想う
きっと今はまだあちらへ続いていない
そして故郷の大気
あの鳥たちは何故飛べるのか
それなのに探してしまう
それぞれの季節にはっきりと別れを告げたことはない
どこでだって癒し癒される
喜び以外何も持たず
走り方さえ忘れて見上げた空
どの色も忘れない
あらゆるものが動き続ける
通り抜けることが可能ならその向こうは不思議の国
熱気の波に引きずられ走馬灯のように点滅する
やっと見つけた扉と、その限られた時間
季節さえ未来を目指してはいない
あの日々に似た瞬間が来るまで
一人の夏じゃなくてきっと良かった
隙間なく伸びた植物がもっと遠くへ秘密を押しやる
絵画も気象も薄膜上の脆い偶然か必然
少しも翳らず一点の衰えもないその奇跡を見上げられたら
いつも眠りの迷路から持ち帰る光景
白昼夢を超えた現実
どうしてだろう夏の焦燥と熱風さえ知りすぎた過去の香
不可能を嘆くよりぶつからない航路を探して
きっと見届けることはないなのに記憶のように確かな
夏を迎えに行けない今年は王国へ還れないかも知れない